デスカフェってどんな場なんだろう?にお答えします
こんにちは、ブエナ・ビスタ・ソシアル・オフィスの伊藤です。
いつもはデスカフェの開催情報とふりかえり報告ばかりですので、今回はデスカフェの実際の様子について、書いてみたいと思います。
「ちょっと興味があるけど、どんなところか分からない」
「自分の喪失体験について話してみたいけれど、受け入れてもらえるか不安」
「名前が強烈すぎる・・・」
この『デスカフェ』という名前や趣旨を目にして、さまざまな感想や思いを持つ方がいらっしゃると思います。 今回は、実際の会がどのように進行しているのか、書きしるしていきますね。
現在、デスカフェ@静岡は二時間で以下のような流れで行っています。
<大まかな流れ>
①主催者からのごあいさつ
②ルールの確認
③アイスブレイク(参加者がうちとけるためのワーク)
④カフェトーク-1
⑤休憩
⑥カフェトーク-2
⑦みんなで感想の共有
⑧次回の予告
まずは、参加者の記名と、参加費500円を払ってもらいます。 テーブルには資料やお菓子が置いてあります。ドリンクはインスタントのものをセルフで入れて好きな席に着席します。時間になったら、デスカフェの始まりです。
①主催者からのごあいさつ
まずは、主催者から簡単な自己紹介とこのデスカフェの趣旨を説明しています。
例えば、私の場合は、「社会福祉士」という資格で、平日は高齢者の相談センターに勤務していること。今までの特別養護老人ホームでの相談員業務や成年後見人の支援員業務から、本人・親族双方の終末期に関する医療同意の支援にかかわることが多かったことから、普段から「死について語り合える場」が必要だなと思って始めた、などです。
②ルールの確認
スイスで始まったデスカフェ。その歴史は浅く、まだ十数年といったところです。
それでも、このデスカフェという催しが、世界のどんな国でも共通ルールで運用されるようにと基本ルールが細かく決められています。
その中でも、会の進行の中で特に重要な5つを「参加者の心得5カ条」ということで、毎回確認しています。
『Death Cafe デス カフェ』参加者の心得
1. 一人ひとりが自由に自分の考えを表現でいるようにする(人の話を否定しない)
2. 自分一人がしゃべりすぎないようにする
3. カウンセリングや悩み相談の場にならないようにする (専門家であってもアドバイスはしない)
4. 死に方や自殺につながる話はしない
5. 『Death Cafe デスカフェ』で出たエピソードはその場かぎりとし、SNSに書いたりしない
③アイスブレイク(参加者がうちとけるためのワーク)
アイスブレイクは、何種類かのうち一つを選んで行っています。
例えば、一つ目は、相手に自己紹介をして、それを相手が書きとめて、皆に伝える「他己紹介」。
二つ目は、5分でお題について20個書きだす、「20問答」。この会では、「あなたにとって生きるとは?」「あなたにとって死ぬとは?」を10個ずつ、一気に書きだしてもらいます。
最後に、最近では伊藤御手製のワークをやりました。 『パリのすてきなおじさん』という書籍から『人生を学んでいる間に手遅れになる』というエピソードを用いて、今の自分の生き方の中で「本当はやりたいけど、後回しにしていること」「もうすぐ死ぬとして、後悔しそうなこと」などを書きだしました。
アイスブレイクを通じてシェアリングしていくことで、一人ひとりの人となりが、初対面でもなんとなく分かってきます。
④カフェトーク-1″ひろがり”
ここでは、ひろがりを意識して、アイスブレイクで出てきた話題や、個人的なエピソードが5~6人のグループで話し合われていきます。時間はだいたい20~30分。
グループによっては、参加者のエピソードに沿って、かなり盛り上がっていきます。何の話なのか「それいいね!」と大きな笑い声が聞こえたり、悲しみのエピソードから「私もこういうことがあってね」と他の方が話しだしたり・・・さまざまです。
⑤休憩
時間になったら、司会者から休憩時間になったことを伝えます。
この10分程度で御手洗いに行ったり、ドリンクのおかわりをしてもらったり、お菓子を食べたりと促していきます。
が、皆さんしゃべりっぱなしのことが多いです。グループで話していたことも「ねえねえ、さっきの話だけど・・・」と個別に話をしたり、Facebookを交換したり、地元ネタで盛り上がったりしています。
⑥カフェトーク-2″収束”
休憩が終わると、2回めのカフェトークです。ここでも20~30分くらい話をしていきます。
1回目のトークからの興奮冷めやらぬまま、ぶっとおしで話が続くこともありますし、深刻なエピソードが続いたあとは、「だからこそ、こう生きていきたいよね」といった話題になったりします。
⑦みんなで感想の共有
2回目のカフェトークの時間がきたら、他のグループと一緒に感想の共有をしていきます。
デスカフェ@静岡でよくやるのは「今日の感想を漢字一文字で表すと?」です。
1分以内で漢字一文字と、それを思い浮かべた理由を簡単に発表してもらうのです。ここでは、普段はカフェトークに入らない司会者も、グループの話を遠巻きに聞きながらの感想を漢字一文字にして、発表させてもらっています。
⑧次回の予告
司会者から、次回はどこで何時から開くよ、ということを確認して、散会となります。
これが、静岡でのデスカフェの流れ
少しは場の雰囲気が伝わりましたでしょうか。
名前の強烈さの割に、案外ふつうのワークショップ・・・というには、ゆるい「しゃべり場」のような雰囲気です。
どうぞ皆さん、いらしてくださいね。
他のデスカフェは、また一味違った赴きになっていると思います。
東京、京都、仙台などで、開かれていますよ。静岡以外の開催情報についてもお伝えできることがあるかもしれませんので、ぜひお問い合わせください。

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