大般若法要と言う名のエンターテインメント

お寺と仏教のこと

夏のお施食法要が終わり、秋になったら「大般若」というご祈祷法要だ。

 

この法要、「大般若経」という超大量のお経の束を南京玉すだれみたいにバサバサさせて読んだことにする時短テクを用いる。

 

現代人も真っ青の時短法要でもある。

 

本来であれば600冊のお経を読むところを、うちのお寺の場合、紙の裏表にお経を書いたり、紙の長さを倍にしたりして60冊にまで圧縮。

 

そのお経の姿は、形だけ見れば高さ4~5センチのパウンドケーキ1本くらいの大きさ。

 

これで殴れば人を負傷させられる・・・そんな風情だ。

 

「大般若」式・お経の読み方

 

この、じゃばらに折り重なったパウンドケーキ大のお経を、バサバサ天に掲げて、読んだことにするのだ。

 

もはや、読まない。

 

代表者だけが読んで、あとの数人はお経本をただ空中に広げるだけ・・・・である。

 

このバサバサ天に掲げるお経の読み方には名前がある。

 

「転読」

 

という。

 

諸説あるが、13世紀の文献にすでにこの言葉が出ているので、かなり昔からある時短テクと言ってよい。

 

ビートニクスな大般若法要

「大般若法要」は五穀豊穣や無病息災、世界安寧を祈祷するありがたい法要だ。

 

しかもドンドコと太鼓に合わせて、何人ものお坊さんたちが大合唱でお経を読むリズムとハーモニー。

 

法要の中盤は、何人ものお坊さんが、お経を空中に広げていくので、目にも楽しいひととき。

 

割とエンターテイメント性が高い法要なのだ。

 

そして、太鼓がまた、いいのだ。

 

テクノ好きの私にはたまらない。

 

ドンドコドンドコドンドコ・・・ドンドンドン!

 

強弱をつけた三拍子のリズムが特徴的だ。

 

控えめに言って超大好き!なんなら「至福の時」と言ってもよい。

 

私はこの太鼓を聞いて、自分の結婚式法要に太鼓を急遽追加してもらったくらいには好きだ。

 

宗教儀式というのは、いつも不思議な世界に私たちを連れていく。

 

線香の香り、おりんの音、響く太鼓と大合唱。

 

古くから執り行われてきた部族の儀式とも似た、トランス状態にも簡単に入れる束の間の時間となる。

転読を私もやりたい

ミーハーな私は、今回、夫に頼み込んで、転読の動作をやらせてもらった。

 

「おまえ、子どもと一緒だな!こういうのやりたがるのは、まずは圧倒的に子ども。次に一般の檀家さん。ふつう寺族はやりたいなんて言わないんだよ・・・」とあきれ顔だ。

 

お経は檀信徒用のものを拝借し、やってみたがこれが意外に難しい。

 

ニコニコ笑顔で3回やったところで、空中に放ったお経が空を舞い、「バラバラバラッ!」とテーブルに落ちた。

 

南京玉すだれが崩れ落ちる時と一緒だ。

 

元に戻すのに一苦労。

 

なんだか、急にすべてが罰当たりに思えた。(もっと早く気づけ!)

 

私は散らばったお経を拾い上げ丁寧にジャバラに畳み、夫に無言で返した。

 

私の大般若がエンターテインメント性を帯びるには、まだ時間が必要そうだ。

 

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